2007年05月29日

ライブレポート

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噂の新人バンドA-COUSTがデビューライブの場所に選んだのは原宿と並び日本を代表する若者の街、大阪は心斎橋アメリカ村の中心にあるTWICE CAFEであった。
新人とは言え、そろそろ成人病や老眼の心配をせねばならない彼らが何故、デビューライブにこのような不釣り合いの場所を選んだのか?リーダーのカルロスに訊いてみた。
「何言うとんねん!オレらまだまだヤングやんけ!」
死語を織り混ぜ、見ている方が憐れみを感じてしまうような痛々しい強弁を繰り返した彼らであったが、マネージャーギジーの運転する機材車から現地に降り立った瞬間、異次元とも言える空気の違いに対応できず息苦しさに咳き込む事となった。
ただ一人平気だったのはギターのMumRueで、彼はアメリカ村でも見かけないようなキラキラ星ファッションを身にまとっていたのであった。
異次元には異星で対抗する、流石はキラキラ星の王子さまである。
対抗すべき武器を持たない他の三人はリハ終了後ビールを飲むことで、ようやく動悸息切れから開放されることに成功したのであった。
そしてようやく平静を取り戻し、会場に戻った彼らがそこで見たものは、会場に入りきれず溢れかえっているお客様の姿であった。
なんやオレラ人気者やん!こんな事やったら城ホール抑えとけば良かったという厚かましいにも程がある様な勘違いや、こんなにお客様がいたら緊張しちゃう、いや〜〜ん!といった可愛らしくも殺意を覚えるようなものでもなく、彼らが真剣に恐れたのは、あれだけの客が自分らが始まる前にいなくなるのはしゃーないにしても、演奏が始まった後で「なんや、しょーもな、ふっ」とか言いながらどんどん帰り始め、終わって気が付けば身内しか残って居なかった、そんなだったらどうしようという事であったらしい。
しかしそんな心配は杞憂に終る。
そう、彼らのデビューライブは会場一杯の暖かいオーディエンスに包まれ始まり、そして終わる事になったのである。

定刻を10分ほど過ぎ、A-COUSTのデビューライブは幕を開いた。
オープニングはカルロスケンジが掛け持ちしているロックバンドAnySingでもお馴染みの「やわらかな・・・」。
とは言え、当然アレンジはAnySingとは変えてある。ピアノのフレーズでイントロが始まるのだが、キーボードのHONEY YOUは自分で考えてきたこのフレーズが1年以上経った今でも苦手らしく、実はスタジオ練習でも5回に1回は失敗すると言うイワクつきのフレーズである。
そんな鬼門のフレーズもなんとかこなし、スムーズなスタートに成功するもやはりデビューライブの重圧からか、前に出ていたApres Vousがあまりに巧かった為のプレッシャーからか、緊張はぬぐえないようだ。
しかしその緊張も「夜空のワルツ」「All My Lovin' You」と進むにつれ溶けてきたが、ここで彼らはある失態に気付く。
A-COUSTは楽曲や演奏は当然だが、詞にも拘りを持つ集団であり、ありがちなチラシやアンケートではなく歌詞カードをライブ前に配ると言う行為に出た。
それは良いとしても、演奏中にステージを見ずに歌詞カードを目で追いながら聴いているお客さんが多数居る事に気付いたのであった。
「オレが作った曲、オレがどう歌詞を変えて歌おうとオレの勝手だぜベイベー!愛し合ってるかーい?」と若き頃に師と仰いだ忌野清志郎が言った名台詞を勝手な解釈をして、歌詞をちゃんと覚えようとしなかったカルロスケンジは心の中で叫んだ。
歌詞カードを見るのは止めてくれ!オレは歌詞をまともに覚えていないんだよぉ!
暗い会場内でわざわざ携帯で灯りを取りながら歌詞カードを目で追っている人に対し、ギターで殴りかかると言う泉谷しげるばりの行動を取る事も出来ず、ただ指をくわえ眺める事しか出来なかったA-COUSTであった。
二回のMCをはさみ「希望の歌」「飾りじゃないのよ涙は(中森明菜のカバー)」とステージは順調に過ぎ、最後はMumRueの唄う渾身のバラード「大切なもの」で終演を迎えた。
しかしここで事件が起きる。
彼らとして予想もしていなかったアンコールが起こったのだ。
「非常にありがたく、涙が出そうになった」が悲しいことにレパートリーが底をついていたのであった。
そんな非常事態への対抗手段として、一曲目から順番にもう一回やると言う選択肢もあったのだが、そこは大人のA-COUST、常識人の集団である。
そんな非常識な事も出来ず、次はもっと持ち歌を増やして戻ってくるぞと心に誓ったそうである。

デビューライブとしては充分合格点であろう。
楽曲、演奏力の一層のレベルアップも勿論要求されるところだが、あえて一つ難をいうとすると今彼らに一番必要なのは場数を踏む事でのA-COUSTとしてのステージ力、ライブ力ではないかと思われる。
いずれにしても今後が楽しみなバンドが増えた。
文:ピロティ(ピロ寺平 FM805DJ)
posted by A-COUST at 00:46| 大阪 ☁| Comment(16) | TrackBack(0) | A-COUST Infomation | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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